日本人オンラインカジノプレイヤー摘発事例について
◇カジノカフェ(インカジ)とオンカジは違う!
自宅で海外のオンラインカジノに
接続して行うプレーは、
でもお話した通りグレーゾーン
とされています。
ところが、ここ数年“インカジ”
と呼ばれるいわゆる『闇カジノ』や
『裏カジノ』でプレーして摘発される
とい事例が日本でもあります。
記憶に新しいところでは、
当時バドミントンの世界ランク1位
を誇った
“桃田賢斗”
選手たちの違法カジノ店事件です。
胴元が日本で実店舗も日本にある時点で
完全にアウトになった事例です。
「インカジ」については、
インターネットカフェカジノ
を略した言い方ですが、海外の
オンラインカジノにアクセスしても、
国内(お店)で現金に清算してくれる
時点で、賭博が成立しているものと
みなされアウトです。
日本国内で実店舗を構えている
カジノカフェ(インカジ)については
ほぼすべてが店内換金をしており、
違法性の高いものがほとんどです。
最近でもカジノカフェでは摘発者が
出ています。
ですから
日本のカジノカフェ(インカジ)へは、
近づかないほうがいいでしょう。
◇オンラインカジノをプレーして賭博罪!?
2016年にインターネットで
オンラインカジノをプレーして
逮捕・検挙されるという事例が、
発生しました。
2016年2月:NetBanQ 事件
2016年3月:スマートライブ事件
2016年6月:ドリームカジノ事件
それぞれの事件についての詳細は
割愛しますので、興味のある方は、
ご自身でググってください。
3つの事件においては、
それぞれの状況が違います。
これらの事件で、
ドリームカジノ事件については、
運営会社が国内にあったという事案
だったので、運営者(胴元)への
有罪判決が決まりました。
これらの事案だけを見ると、
オンラインカジノをプレイすることは
危険で違法かの様に見えます。
しかし、NetBanQ 事件では、実は
オンラインカジノをプレイしたことが罪
ということを認めず、略式起訴を
受け入れずに裁判で争う姿勢を見せた
プレイヤーがいたのです。
そして、結果的には不起訴(無実)
を勝ち取っています。
その後、
2017年に NetBanQ 事件に関連して、
賭博罪の容疑をかけられたプレイヤーの
刑事事件において出た、画期的な
係争事案となりました。
以下引用
― 不起訴の勝ち取り
ーオンラインカジノプレイヤーの件
(中略)
私は昨年から
いわゆるオンライカジノをプレイした
として賭博罪の容疑を受けた人の弁護を
担当していたのであるが,これにつき
不起訴を勝ち取ったのである。昨年
オンラインカジノをプレイしていた
ユーザー複数が賭博罪の容疑を
かけられた。
彼らのほとんどは
略式起訴されることに応じて
(これに応じるかどうかは
各人の自由である)軽い罰金刑になることに甘んじたの
であるがそのうち1人は刑を受けること
をよしとせず,略式起訴の打診に応じず
争いたいとの意向を示した。
弁護を担当したのは私であった。
本件は
海外において合法的なライセンスを
取得しているオンラインカジノにつき
日本国内のパソコンからアクセスした
という事案である。
この形態の案件は
従前検挙された例がなく違法なのか
どうかがはっきりしない
状況になっていた。
賭博をやったのは認めるがそのような
状況で不意に検挙されたのが
“納得いかない”というのがその人の
言い分であった。
(中略)
結果が出たのは
間違いのない事実である。
本日時点において
オンラインカジノプレイヤーが
対象となった賭博罪被疑事件で
争った案件は国内でただひとつであり
そのひとつは,不起訴となった。
言うまでもなく
不起訴は不処罰であり
何らの前科はつかない。平たく言うと
「おとがめなし」ということだ。
営利の目的なく個人の楽しみとして
する行為を対象とする単純賭博罪の
不当性をうったえ続けている弁護士として
この結果を嬉しく思う。そしてちょっぴり誇りに思う。
賭博罪改正を願う弁護士津田岳宏のブログより引用
◇オンラインカジノは結局違法なのか?
さて、
ここまでの賭博罪被疑事件を考えると
オンラインカジノでプレーすることに
躊躇するというプレイヤーが
いるかもしれません。
NetBnaQとスマートライブ事件で
検挙されたプレイヤーのほとんどは
「単純賭博罪」として『略式起訴』の
罰金刑を受け入れました。
(検挙されたプレイヤーとしてみれば、
検挙された不安から略式起訴を受け入れ
事を早く終わらせることを選んだ
としてもそれは当然だと思います)
ただし・・・
略式起訴というのは判例ではないので、
これをもってオンラインカジノを違法
と断ずることはできません。
しかし、NetBanQ事案にあるように、
略式起訴を受け入れず裁判で争う姿勢を
見せると、検察は途端に不起訴処分に
しています。
オンラインカジノを規制したい警察
としては、逮捕・検挙して報道させて
恐怖感を煽り、裁判なしでの略式起訴が
「落としどころ」という「筋書き」
だったのでしょう。
裁判まで持ち込まれるのは警察として
想定外であり、検察でさえも
オンラインカジノの違法性を立証
するのは難しいと判断したからこその
不起訴なのでしょう。
もちろんこのことを受けて
「オンラインカジノは合法!」
と言い切れるわけではありません。
しかしながら、論争はあるものの、
公判で処罰された例はない
「グレーゾーン」
とは言えるでしょう。
◇オンラインカジノプレイヤーの対策とは!?
さて、今後のプレイヤーの逮捕・摘発
については、法改正等の動きが無ければ
という条件付きであれば限りなく「ない」
と言えます。
その理由は、
一度「不起訴」にした事件に対して、
今後同様の事件が再度起こったとしても、
まったく新たな犯罪証拠でも無い限り、
検察が起訴することはまず
あり得ないでしょう。
なぜならそれは検察自体の過去の判断を、
覆すことになるからです。
また、関係者の証言から推測すると、
そもそも一連の事件での警察の本当の
狙いは胴元(運営者)の逮捕
だったようです。
しかし、
捕まえてみるとプレイヤーばかり。
だからといって、
立場上、無罪放免にするわけにもいかず
自主的に罪を認める略式起訴に
したかったのだと思われます。
その後の捜査でドリームカジノのような
特例を除いて運営者が国内にいることは
ないと判った警察が、今後も執拗に
無店舗型のオンラインカジノを追うこと
はないと考えられます。
◇オンラインカジノでプレーする上での注意点!
オンラインカジノが合法か違法かの
判断が難しい言わば“グレーゾーン”
だということは、お判りいただけた
と思います。
オンラインカジノでのプレーについて、
今後は逮捕・検挙の恐れもほぼない
といっても、気を付けるべきこと
があります。
それは・・・
・日本国内で運営しているかもしれない
オンラインカジノを利用しないようにする。
・日本人専用と謳ったテーブルやプログラムが多く、
捜査対象になりそうなカジノは選ばないこと。
・チャット機能に個人情報が特定できるような内容を
安易に書き込まないようにする。
・大金を勝利した時に多いが、SNSやプレー内容など、
公開することをガマンする。
・目立ちたいでしょうが、目立たないように、
自分だけでひっそりと楽しみましょう。
最後に、昨今のオンラインカジノに対する
様々な状況を考えると法整備に手をつける
ことが出てくるかもしれません。
合法か違法かという単純なことではなく
オンラインゲーミング界としての方向性に
かかわることになるかもしれません。
ランドカジノの法整備も含めて日本の
ゲーミング産業の未来を見届けたいと
思っています。